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' 巨象の足音が聞こえ始めた。米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が8月18日、昨年6月の経営破綻(はたん)から1年2カ月のスピードで米証券取引委員会に再上場を申請。復活の象徴と位置付ける電気自動車(EV)「シボレー ボルト」も年内に投入する。米国では失ったシェアを急速に回復し、新興国市場でも存在感を増してきた。2008年にGMから世界販売トップの座を奪ったトヨタ自動車など日本勢は、得意とする環境技術で対抗する。
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' ◆トヨタ、全方位戦略
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' 「メジャープレーヤーのGMは米国市場が回復すればシェアは拡大する」
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' 米コンサルティング会社、A.T.カーニーの川原英司パートナーはGM復活の可能性についてこう指摘する。
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' 事実、米自動車市場は、一昨年秋のリーマン・ショック後の低迷から急回復。破綻後、身軽になったGMは価格競争力も増し、品質問題で米国でのシェアを落とすトヨタを尻目に、販売を大幅に伸ばしている。慢性的な赤字体質からも脱却。10年4〜6月期決算は最終損益が13億3400万ドル(1124億円)と2四半期連続の最終黒字となった。
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' ガソリン価格の高騰やリーマン・ショック後の景気低迷で、米国でも低燃費の小型車へのシフトが進み、昨年はトヨタを中心に日系メーカーが販売を伸ばした。ただ、現地で大型車や積載量が大きいピックアップトラックのニーズは依然根強く、「車種も多くそろえるGMは強みがある」(日系メーカー)。
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' 米国を抜いて世界最大の自動車市場となった中国でもGMは独フォルクスワーゲン(VW)と販売首位の座を争うなど、存在感を見せる。今年1〜6月には中国での販売台数が合弁生産分を含めて121万台で、米国販売を初めて上回った。
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' 目を覚ました巨象に、トヨタや日産自動車などは得意とする環境対応車で迎え撃つ。
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' トヨタは「プリウス」などハイブリッド車(HV)の展開に加え、5月には米EVベンチャーのテスラ・モーターズとも提携し、全方位戦略を打ち出す。
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' 日産自動車は12月、米国でEV「リーフ」の販売を開始する。今年5月にはテネシー州でリチウムイオンバッテリーの生産工場の建設に着手し、12年後半にはリーフの現地生産を年間15万台まで高める。
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' 一方、新興国市場の中国でも日系メーカーは生産能力増強など巻き返しに躍起だ。
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' ホンダは「アコード」などを生産する広州工場(広東省)の年間生産能力を11年後半までに現在の36万台から48万台に拡大。12年には中国の年間生産能力を現在より18万台多い83万台にする。
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' 日産は今年秋にも河南省の工場が稼働を開始し「12年には中国で100万台以上の生産体制を確保する」(同社)。トヨタも12年前半に吉林省長春市の新工場でカローラの生産を始める。ただ、ホンダが「GMは1980年代から中国で足場を築いており、歴史と規模が違う。後発の日本メーカーとはまだ差がある」と話すなど、日本勢としては苦しい戦いを強いられそうだ。
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' ◆鍵握る「ボルト」
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' 新生GMと日本勢の激突で、今後最も注目されるのが、GMが満を持して投入するEV「ボルト」。GMの復活をかける象徴だ。補助金を活用した場合の価格は3万3500ドル。リーフより約8000ドル高いが、発電用のエンジンを積んでいるため、1回の充電で約450キロ走行できる。
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' 約500億ドルという公的資金を投入してGMを救済した米政府も、ボルトの成功を後押しする。7月30日、ミシガン州のGM工場を訪れたオバマ大統領は自らボルトに試乗し、PRに一役買った。「ボルトを国策として公的機関が購入するのでは」との声も聞かれる。まさに米国の威信をかけ、日本勢に勝負を挑む考えで、今後、ますますデッドヒートを繰り広げそうだ。(田村龍彦)
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